MyOpenArchive

少し前の話になるが、手元にちょうどいいレジュメがあったので流行の MyOpenArchive に投稿してみた。それでわかった点をいくつか。

  • ライセンスが CC/PD だけというのが不満
  • トップページの新着件数3件だけというのは…
  • 今後の方向性はどうなるの

ライセンスについて

本家CCでは CC+他のライセンス、という組み合わせまで視野に入っているようで、CC+GPL/LGPL/BSDの各組み合わせがあるよ、という紹介がなされている。ただこれはあくまでソフトウェアに対してだよ、という断りのようなものがあるが、実際には GPL/GFDL は文書にだって適用できちゃうわけで*1、現状のままだと GFDL に基づいて改変した文書は公開できないことになってしまう。Apache License/MPL 辺りまで対応しろとはいわないけど、せめて GPL/GFDL 辺りまでは選択肢に含めて欲しい。

新着件数について

いやまぁ三件だけでもいいんですけどね。何か寂しいなというか。

リニューアルして三ヶ月ちょっとで100報弱というのはまぁまぁの成果と見ていいんだろうか。ただそれでも100報という数字はあまり大きいものではないだろうし、そういう状況でトップページには新着の三報だけを表示というのはちょっともったいない。

方向性について

上の項目とも被るけど、結局 MyOpenArchive はどういう方向を目指すんだろうという話。

現状、一応検索機能はついているけれど、論文を捜すのにどれだけの人が検索機能を使うのかという疑問があるし、かといって tagging で全て賄えるのかといわれるとそれはそれで疑問。
じゃあ一覧表示した方がいいのではと思っても、新着三報だけという有様ではなかなかつらい。

で、最近何かと話題の京大でも機関レポジトリに本腰入れだしたようで、

登録資格について
京都大学の構成員,または構成員だった方ならどなたでも資格があります。ただし,当該コンテンツの作成に関与した方でなければなりません。登録したコンテンツは,他機関へ転出,卒業といった場合でも削除する必要はありません。
対象となるコンテンツについて
京都大学における教育・研究活動によって生み出された学術成果・知的生産物であればあらゆるものが対象となります。具体的には,学術雑誌掲載論文,学位論文,紀要論文,科学研究費補助金成果報告書,プレプリント,テクニカルペーパー,学会発表資料,講演会・シンポジウム発表資料,講義録,教材等あげればきりがありません。

京都大学学術情報リポジトリ 総合案内サイト−Kyoto University Research Information Repository

利用条件
(中略)ただし、問い合わせを受ける煩わしさを軽減するために、Creative Commons Public License(日本法準拠版)「帰属 - 非営利 - 同一条件許諾」のもとでの利用を認めることも可能です。このライセンスの詳細についてはこちらをご覧ください。

京都大学学術情報リポジトリ 総合案内サイト−Kyoto University Research Information Repository

という感じでモロに競合してしまう。まぁこちらはあくまでも学術論文メイン、 MyOpenArchive はその他諸々の資料置き場、というスタンスで行くならそれはそれでありかもしれないけど、それなら本当にただの資料置き場と化してしまいかねない。しかもdoi代わりのパーマリンクを知ってる人しかアクセスできないという最悪の状況に。

で、もっというと

User-agent: Googlebot
Allow: /

http://www.myopenarchive.org/robots.txt

なぜ googlebot だけ許可してるのかも理解不能。baidu spider弾きたいから?

さいごに

京大の機関レポジトリでも使われている dspace の開発や、Science Commons、あるいは nii が音頭を取ってやってる機関レポジトリ構築支援の話とか、MyOpenArchive の競合になりかねないシステムやサービスは結構多い。ただ試みとしては非常に支持したいと思っているので、今後とも是非とも頑張って欲しいし、まだまだ投稿できるものがあれば投稿していきたい。

*1:例えば Tex の原文をソース、dviやpsの出力結果をコンパイル結果と見なせば成立するはず