研究の費用対効果とか

これ、結構的を射た良エントリだと思う。

大学の研究室にいて痛感するのが、本当に費用対効果という概念が存在しないこと。実験のクオリティを上げようと思えばいくらでも上げられるし、数年かけて完璧な論文を書くこともできる。

金に興味の無い奴は博士課程に来ないでくれ、頼むから。 - 後ろを見ろ、後ろを!

研究内容に対して費用対効果が云々、というような経済感覚を持ち込もうとするからややこしいのであって、それ以外の点で見ればいいのではないかと。

費用対効果の意識のない人は、概して消耗品とかに対しても結構無頓着なことが多いので、研究内容等に対して経済感覚を持っているかどうか、は消耗品とか試薬類の扱いを見ることである程度判定できると思う。たとえば、

  • 同じ試薬や同種の消耗品類(チップ、ファルコン、エッペンetc.)がすべて封が切られた状態で数本/数袋並んでいる
  • 一つの研究室内で保管場所が点在している
  • しかも同種試薬が各保管場所に散らばっていて誰も把握していない
  • そもそもどこに何があるのかわからない
  • ざっと探して無さそうだったので買ってみたら実は奥まったところに残ってた
  • 調製された試薬が誰のものか・何が入っているのかわからない
  • 前に調製した試薬がどこかへ消えた

とかだと結構危険信号ではないかと。まぁ大規模なラボだとまた違うかもしれないけど。

で、こういう感覚は本当に「感覚」なので、理解し合えないことが多い。酷いと「いろんなところにあったらいつでも使えて便利じゃん」とか言い出したり、「何で勝手に片づけるの?」となってまた諍い(ry。研究をするには金が要るわけで、その金で買った・作った試薬や消耗品を無駄にすることは、貴重な研究費をどぶに捨ててるのと同じなわけで。金がない金がないといいながら、試薬をほったらかしにしていれば、そりゃあ金も逃げていくだろうなと。そこを意識できるかできないかの壁は結構高いように思う。

また、整理整頓・在庫管理についても、研究室内は何かと危険が多いので、リスクを減らすという意味もあるけど、それ以上に作業の効率化を図るという観点からも重要。○○はどこにあったかな、というようなことばっかりしていては集中も途切れてしまうしね。たぶん、こういう話はビジネスとして動いている組織なら本当に基礎の基礎だと思うんだけどなぁ。

これは研究室に限らず、サークルとか部活とか*1、いろんなところに応用が利く話。あと、これは経験則だけど、そういう感覚をはっきり持ってる人に、「〜ってどこにありますか?」と聞いたら、「どこどこの引き出しの何段目」みたいに即答できることが多いように思う。


で、こっからは完全に余談だけど、そうやって即答できるのは自分の持ち物をちゃんと把握できているからこそなせる技だと思うんだが、そういう人の作業机とか作業台ってだいたい綺麗なんだよね。neatというかtidyというか。無駄がない。逆に、作業机の様子がアレだとなかなか…なことが多いような気がする。

*1:上述の危険信号リストはサークルでの経験を研究室に当てはめただけだったりする。